私のロッドはこれまでずっとトンキンのみを使ってきました。
理由は先人達が到達した結論がトンキンだったということです。
ただ、先人たちは中国やマレー半島の竹や笹類から選りすぐった結果であり、日本の竹は選択肢から
はずれていたのではないかとも予想されますが・・・
日本のバンブーロッドメーカーはまだ大部分の方がトンキンを使用していますが、日本の竹にこだわり
を持って使っている方も多くなりました。
その多くは真竹、女竹、淡竹などを使って独自のアクションのロッドを制作しています。
私が以前から気になっていた竹は紋竹という、表面に雲紋の入った竹でした。
自然な紋様がとてもエキゾチックで、これでロッドを作ったら・・と、気持ちが膨らみました。
しかし、紋竹はあまりにも細く、和竿などで使用されてはいても、フライロッドには丸竹ロッドなら
ともかく、6角竿には適さないのです。
その次に目が行ったのは、岡山の津山地方に自生する虎斑竹でした。
ヤシャ竹の変種らしく、紋菌の作用で雲紋が出来るとのことでしたが、こちらは天然記念物・・・
で、先日、ふとフェイスブックで知ったのが、今回の土佐の虎斑竹でした。
こちらは淡竹の変種とのことで、やはり、紋菌の作用で雲紋が出来るのですが、移植して栽培しても雲紋
が出来ず、この地方で栽培したもののみに雲紋ができるとのことです。
生理的な作用で雲紋が出来る紋竹とは違い、紋菌の作用ですので強度的に心配な面がありますが、
まずは試してみたくなり、注文してみました。
届いた竹は7寸サイズで十分な太さがあります。
表面には見事な雲紋が全体に発生しており、この紋様の美しさから、工芸品として人気があるようです。
もちろん淡竹の変種とはいっても淡竹にはかわりありません。
ファイバーは竹の表面に集中しており、細く、それほど密ではありません。
ロッドにするためにはトンキンのテーパーはそのまま使えません。
虎斑竹のファイバー
トンキンのファイバー
淡竹や真竹の場合はトンキンと同じ番手でテーパーを設計する場合、1割ほど太く設計する必要があります
ので、テーパーを再設計しました。
今日は竹を割り、軽くフレーミングを施し、ピス側もフレーミングをして、火入れまで一気に終わらせました。
この竹での最初の一本は。。。
やはり、Mortisedにして作ってみたくなりました。
花櫚バールの紋様と、虎斑竹の紋様とが合わさるとどんな具合になるのか楽しみです。
節間はトンキンほど広くありませんが、広い方だと思います。
節は尖がっていますが、ノードプレスをすることで処理も苦ではありません。
曲りなおしをやった感覚では、結構パリっとした感じです。
ソリッドで制作しますので、それでもトンキンよりはスローになるかと思いますが、もともと私のロッド
はファスト寄りですので、結構良い感じのミディアムアクションになってくれればと思います。